【イスラム教徒とっての葬儀】(暴走のイスラム)

葬儀狙い空爆の意味

イスラム教にとってのタブーがまたひとつ崩されようとしている。 

内戦が続くイエメンで、葬儀自体が空爆の対象となる、信じられない事態が発生した。

死者を弔う葬儀に爆弾が落とされ、参列していた多数の会葬者が犠牲となった。

内戦が続く中東イエメンの首都サヌアで2016年10月8日、多数が参列していた葬儀会場が空爆を受けた。

国連によると、140人以上が死亡し、525人以上がけがをした。

サヌアを支配する反政府武装組織フーシ派は、サウジアラビア主導の連合軍による空爆だと非難した。

2015年3月にサウジなどが軍事介入を開始して以来、一度の空爆で最大の犠牲者を生む惨事となった。  

サウジ側連合軍は、報道官が地元メディアに「その地域での空爆は実施していない」と関与を否定。

その後、「事件について早急に調査する」との声明をサウジ国営通信を通じて発表した。  

現場の建物では、サウジ側連合軍が攻撃対象とするフーシ関係者の葬儀が営まれていた。

フーシ派と連携するサレハ前大統領の関係者も参列していたという。

AP通信は救助関係者の話として、「現場は血の海になった」と伝えた。犠牲者の大部分は民間人だったとみられる。

イスラムの葬儀

死後の世界観には若干の違いはあろうとも、古今東西、洋の東西を問わず、葬儀の大義は生前の行いに対する許しを請い、故人の死後の世界が平和と安らぎに満ち溢れていますようにと、神仏の慈悲にすがる、この2点に尽きる。

そして、イスラムは共同体としてのウンマ(神から啓典を与えられ、それに従う人間集団とその精神)を非常に大切にする。

こうした性質の共同体にとって、神の元に帰りゆく人間の為に神に祈る【葬儀】という儀礼式は共同体全体の責務と考えられている。

ゆえにイスラム教国家のイエメンの葬儀を、同じイスラム教国家のサウジアラビアがわざわざ狙い撃ちするというのは、「葬儀を狙った空爆」という意味以上に、大きな意味合いを持つ。

人間と尊厳

もちろんそうした事情を抜きにしても、十分にひどい事件だ。

どこぞの人文学者が、「人間と動物の大きな違いは、【尊厳】を挙げていたが、もはやそうしたものは一切感じられない。

動物と同じだが、むやみな殺生をしない動物のほうがまだましかも知れない。

「人間は自分たちを守るはずの兵器により、その大半が死滅した・・・」

映画【ターミネーター】の有名なセリフが思い出される。

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