みんなのお葬式体験談
最近は火葬のみを行なう直葬が増えています。
東京では実に4件に1件が直葬だと言われています。
しかし、安易な直葬はかえって面倒な事態を引き起こす場合もあります。直送が悪いとは思いませんが、後々のこともしっかりと考えて行うことが大切です。
直葬から一般葬へ
2年前、私の兄が亡くなりました。その葬儀の時の事です。難病を患って他界しました。
本人の生前からの意思により、家族のみの直葬を行う方向で動いていました。
しかし、それではあまりに可哀想だということで、家族のみの家族葬で行うことにしました。
結局、お嫁さんや母、長兄と話し合い、兄には友人が多く、地元に戻って来ていた事もあって、家族葬にすると結局後からお線香を上げに来てくれるようになってしまうだろうと、一般葬にする事にしました。
でも、大きな会社に勤めていたわけでもなく、仕事上の付き合いの人は殆どいなかったので、小さな一般葬になりました。
葬儀自体は無事に終わりましたし、兄が好きったビートルズのメロディを流し、元気だった頃や幼い頃の写真を飾り、故人を偲びました。
難病を患って5年。生きているより死んだほうがラクだと良く言っていたので、やっとラクになったのだろうと思うと、哀しみもありましたが、安堵感もありました。
ひと言
小さな葬儀だったかも知れませんが、結果的にはしっかり葬儀をあげてあげることができたことは大変良かったと思います。
葬儀をあげることの意義
葬儀は何も死者のためだけにあげるものではありません。
葬儀とは生きている人間が、大切な人の死をしっかりと受け止め、その死と決別し、前を向いて生きていくためのけじめの儀式でもあります。
けじめをつけなかったことへの後悔
(あの人は本当に成仏できたのだろうか?)
(葬儀もしないままで、なかなか気持ちにけじめがつけられない)
葬儀をしっかりあげてあげられなかったが為に、後から後悔の念に駆られる遺族・親族は思いの多く存在します。
葬儀は後からあげることは出来ません。
自己満足かも知れませんが、後から後悔しないために、しっかり考えて行動することが大切です。
遺産相続
相続税が見直され、相続税の及ぶ範囲が従来よりかなり広がりました。
葬儀にかかる費用は、相続財産から差し引かれます。
後々請求された相続税を見て、葬儀代に使っておけばよかったと思った・・・
そんな声もちらほら聞かれます。
親族とのトラブル
葬儀をあげなかったことで、親族とのトラブルに発生する事態も散見されます。
本家を中心とした親族間のつながりが深い地方では、
『あいつは親の葬儀すらきちんとあげなかった!』
葬儀が原因で親族間とトラブルに発生するケースは思いのほか多いものです。
自分の都合だけで動いては後々トラブルとなるのは、良くも悪くも日本の文化です。
事前に親戚とよく相談すべきかも知れません。
遺族を悩ます自宅への弔問客
火葬後、毎日のように訪れる自宅への弔問客に悩まされる遺族の話もよく聞きます。
故人がこれほど付き合いが広いとは・・・
こんなことなら葬儀をあげておけばよかった・・・
所詮故人の交友関係など、蓋を開けてみなければ分かりません。
後々後悔しないためにも、葬儀はしっかりあげておくことをおすすめします。
葬儀をあげることの意義
しっかりと葬儀をあげてもらえて、お兄さんもとても喜んでいると思います。
5年という歳月はお兄様にとってもご遺族にとっても長く苦しい時間だったと思います。
しかし、裏を返せば、突然の死ではなく、自らの命が尽きるかも知れない分かってから、5年間時間を共有できたと言うこと。
とても大切で有り難い時間だったと思います。
思い出を胸にお兄さんの分まで前を向いて生きていってくれることと存じます。
お兄様の心よりのご冥福をお祈り申し上げますm(_ _)m